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Hanna

Author:Hanna
2005年9月よりアメリカ在住
東京出身、和文化と猫とオペラが大好き!あと、ゴルフも…
(すみません。多彩な趣味の持ち主なのです。^_^;)

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パリアッチ その2
このパリアッチ(道化師)というオペラ。

イタリアで実際にあった話をオペラに仕立てたそうですが、旅の一座のお話。
座長とそのうら若き妻。妻には恋人が居て、この公演が終わったら二人で駆け落ちをする予定だったのを、逢引しているところを座長に見つかってしまい、最後に道化を演じる座長が公演中に妻を殺してしまうという話です。

このオペラの前奏曲と道化を演じる座長(これはテノールの役)が歌うアリアは、とても有名で、絶対どこかで聴いたことがあるはずです。妻に浮気をされ、それでもその夜の公演のために道化を演じなければならない自分を嘆くアリアは、身震いするほど情熱的で印象的な旋律です。

さて、私が観たデュッセルドルフのオペラ座はとても小さく狭いのですが、この狭さを逆に利用し、私を含めたオペラの観客を劇の中の観客に仕立て、観覧席の観客を巻き込んでオペラは進んでいきました。歌い手さんたちは、必要があれば観客席まで降りてきて、そこで演じ、歌うのです。

そして、オペラがクライマックスに差し掛かかり、舞台装置が変わり、必死で舞台を眺めている私は突然腕をつんつんされました。
なんだ?隣の席の人は帰ってしまったはずだけど・・・
と思い、横を見るとそこにはなんと妻の恋人、シルヴィオが座っているではありませんか。ひええーーーー。そして、そこにはスポットライトが当てられてます。舞台の上では、これから旅の一座の公演が開かれるところ。シルヴィオは恋人のだんなさんに見つからないように、こっそり観客席から恋人の様子をうかがっているところだったのです。しかし、座長も妻の恋人が近くに来ているに違いないと思い、公演が始まる前に観客席をチェック。そうです。当然、座長は私の横まで来て隣に怪しい人がいないかチェック。そんなシルヴィオはさっと私から「ドイツの旅」ガイドブックを取って、本を読んでいるふりをします。あああ、何てこった。イタリア人のシルヴィオが日本語でかかれたドイツの旅ガイドブックを読むなんて・・・

そうです。これは皆、オペラの中で起きていることです。それに日本からやってきた観光客の私が巻き込まれて・・・もうどうしていいやら、興奮するやら、嬉しいやら、恥ずかしいやら、私の血圧はあがりっぱなしです。超メイクの濃いシルヴィオは、ほんのワンフレーズだけ私の真横で歌い、あああ、プロの声が本の数十センチの距離で聴けるなんて・・・私はほとんど気を失う寸前でした。今思い出すだけでも、鳥肌が立ってきます。

そのあとは、激昂する座長とその妻の激しいやり取りと立ち回りがほとんど観客席で行われ、最後妻が刺され、その恋人シルヴィオが飛び出して行き、自分も刺されてしまい、公演中の喜劇と一組の夫婦とその妻の恋人の愛憎劇は終わります。そしてこのオペラのもう一つの聴きどころ。

喜劇は終わった。(ラコメディア エ フィニータ)
というせりふと劇的なオーケストラのフレーズと共に幕は降ろされます。

もうブラボーの嵐。ブラボーは鳴り止むことなく、私は興奮から冷めることなく。ほとんど茫然自失状態。あああ、本当に何と言う夜だったでしょうか。一生、決して忘れることの出来ない経験をさせてもらいました。今でも目を閉じると、あの最後のフレーズがよみがえってきます。

さて、この「パリアッチ」ですが、それから数年してNYのメトロポリタンでもう一度観る機会がありました。メトの名物、本物の馬まで舞台に登場し、それは立派な舞台でしたが、断然ドイツの小さな劇場で見たパリアッチの方が良かった。オペラってそういうものです。

そしてちなみに私の大好きなパバロッティもこのパリアッチの道化師の役(座長)を得意としていますが、何度CDを聴いても、どうもちょっと違うような気がしてしまう私です。それだけあの夜のパリアッチが強烈だったと言うことです。音楽の力ってすごいですね。

ありがとう、デュッセルドルフ!!!ありがとう、パリアッチ!!!
pariacci
パバロッティのパリアッチ。衣装もメイクも強烈です。
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テーマ:アメリカコネチカット生活 - ジャンル:海外情報

music | 13:25:08 | Trackback(0) | Comments(0)
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