■プロフィール

Hanna

Author:Hanna
2005年9月よりアメリカ在住
東京出身、和文化と猫とオペラが大好き!あと、ゴルフも…
(すみません。多彩な趣味の持ち主なのです。^_^;)

■月別アーカイブ

■最近の記事
■最近のコメント
■カテゴリー
■FC2カウンター

■ブロとも申請フォーム
■ブログ内検索

■リンク
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


スポンサー広告 | --:--:--
悪魔の血の一滴
穏やかならぬ今日のタイトルの話題も、やはりピアノのこと。

この夏は、本当にピアノを弾きたい気持ちを抱えながらも、なかなかピアノと向かい合うチャンスのない3か月でした。日本の実家にあるピアノは、3歳の時から私と苦楽を共にした楽器です。鍵盤の横の木の部分にできた茶色のシミは、練習中に出た鼻血の跡だったり、私が17歳までの人生で一番長い時間を過ごした場所でもあります。17歳でピアノと決別してからは、ほとんど弾いてあげることのなかったピアノでも、弾き始めればすぐにお互いを認知するというか、指が馴染むというか、さすがはバディーだなあと思いました。

思うように練習が出来ない日本でできることと言えば、片っ端から日本語の本を読むこと。アメリカではなかなかできないこれまた大きな楽しみであります。今回の滞在中に文庫を20冊ほど読みましたが、その中でもピアニストの中村紘子さんが書かれたものを数冊読みました。ピアノだけではなく文章も非常に上手い方でありますが、ここ1年ほどすっかりピアノに憑りつかれてしまった私の心に響く言葉がちりばめられていました。その中の一つが、今日のタイトルの”悪魔の血の一滴”でした。以降、彼女の文章をそのまま引用します。

「芸術とは99パーセントのしんせいなるものへの奉仕、献身と、1パーセントの悪魔の血の一滴の混じったもの」
「この悪魔の血の一滴をその精神に宿した音楽家に出会うことは今日の社会ではまことに少ない」

名言だなあと思いました。そしてその悪魔の一滴を持つピアニストとして、彼女はあのホロヴィッツの名前を挙げています。ホロヴィッツの演奏は、聴く人の心をざわざわと揺らします。至福の喜びを味あわせておいて、そこから一気に引きずりおろしたり、心をわしづかみにして振り回す、そういうピアノです。だから、何度でも聴きたくなってしまう。

ここ2週間ほどはまっているのが、ホロヴィッツの弾くラフマニノフのピアノソナタ2番の2楽章。激しい1楽章と3楽章にはさまれた束の間の夢のような、夢なのに心がぐらぐら揺れてしまうような、如何にもラフマニノフらしい映像の見える美しい楽章です。これがホロヴィッツの手にかかると、なんとまあ本当に夢のようで、どこで聴いても、いつ聴いても、誰と聴いても、構わず涙が溢れそうになってしまうのです。まさしく、「悪魔の血の一滴」による仕業だと納得せざるを得ません。


私の傍にその「悪魔の血の一滴」を持ち合わせていると思う人が一人。。。
N先生もそういう人の心をぐらぐら揺らす、心の琴線にたやすく触れてしまう、そういうピアノを弾く人です。彼の音楽に対するスタンスを見ていると、中村紘子さんのおっしゃる「芸術と言う神聖なものへの奉仕、献身」という言葉がぴったりだと思います。そして悪魔の血の一滴で、聴く人の心をゆさぶるのです。

スポンサーサイト
Piano | 23:16:45 | Trackback(0) | Comments(0)
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。