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Hanna

Author:Hanna
2005年9月よりアメリカ在住
東京出身、和文化と猫とオペラが大好き!あと、ゴルフも…
(すみません。多彩な趣味の持ち主なのです。^_^;)

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失意のDaniil Torifonov
昨日、日本でも注目されている若手ピアニストのDaniil Torifonovのコンサートに行ってきました。

20歳の時にチャイコフスキーコンクールとルービンシュタインコンクールの両方で1位となり、一躍時代の寵児に。あれから3年、2014年12月にまたカーネギーホールに戻ってきました。あいにくカーネギーの時は、自分の発表会の前だったので行かれませんでした。カーネギーは、ソロ。是非とも聴いてみたかったのですが、残念でした。今回はNYフィルの公演の中でコンチェルトを弾きました。選曲はラフマニノフの1番。

私が特に興味があったのが、彼の音色。ロシアンスクールの中でも特にネイガウス派の若手。どんな音を出してくるのか、どうやって弾くのか、そのことばかりを考えていました。

確かに全く雑音のない、美しい音でした。
ところが、どうも私が思っていたのと違うのです。もっと元気いっぱいに、嬉しそうに弾いてくれるのかと思いきや、何だか全然元気がなく・・・私は意図的に自制しているのかと思いました。彼のきわめて繊細な音に対して、全く無骨なNYフィルの音。途中、オケの音がうるさすぎてピアノが聴こえなくなり(私の座っていた席の関係もあるかと思いますが)、非常にイライラさせられました。

私の様に彼の音色に興味を持ってみているような人には、あれでも十分だったと思いますが、若手ロシア人ピアニストが奏でるラフマニノフを期待してきたであろう多くの聴衆にとっては、おそらく消化不良のような演奏だったのではないかと思いました。とにかく元気がないのです。

何だか思っていたのと違うなあ????と思いながら、やっとのことでどんちゃん騒ぎのチャイコフスキー悲愴を聴き終えて(正直早く帰りたかった。。。3楽章の後で、かなりのお客さんが思わず拍手をしてしまったのですが、それは「これでやっと終わった!!」という喜びの拍手に聴こえました)、会場から出て、友人たちと何故あれほどオケがピアノの邪魔になるのかということを話しながら出口に向かっていたところ・・・

ピアニストの関係者だという人に声をかけられました。本当にその人が関係者だったのかはわかりません。でも、彼女曰く、この演奏会の前に彼は彼の演奏に対してのNew York TImesのレビューが元になった音楽的な議論で、深く傷ついてしまったとのことでした。
確かにそういわれてみると、あの元気のなさ。1楽章の出だしの止まってしまうのではないか?と思うほどのテンポ(当然、オケはついてこれません)。納得がいくような気がしました。

家に帰ってから今回の公演に関する色々なレビューを探してみました。そこで見つけたのが、この公演に先駆けて行われたカーネギーでのソロ公演に関するめった切りの批評でした。でも、それはNYタイムズではなかったから、それが原因ではないのかもしれないけれど・・・

「熱狂をもって迎えられた新人が、その数年後に同じ批評家たちにこき下ろされる」、これは良くあることです。そんなことは本人も承知の上だと思うので、その上に何かとても大きな傷を負ってしまうような発言があったのでしょうか?でも、そうは言ってもやっぱりプロだから、もうちょっとだけ頑張ってほしかったなあという気持ちが残りました。また1年後ぐらいに、今度はソロで聴いてみたいです。頑張れ、Torifonovくん!!!

そうそう、驚いたのが、なんとも長すぎるほど長い指。背はそれほど高くないのです。手だけが異常に大きく、指が異常に長いのです。その長い指で、一音一音大切に逃がさないように音色を奏でる姿には感動しました。オケの邪魔が入らない、アンコールに弾いた「水の反映」。これでもか!!!ってぐらい、ピアニッシモなのに、一音ずつ音色を変えて聴かせてくれました。水面にきらめく光が見えるようでした。私が日本でご縁をいただいたネイガウス派を研究されているO先生のおっしゃられたことが、そのままお手本となってピアノを弾いてくれたようでした。
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テーマ:アメリカコネチカット生活 - ジャンル:海外情報

Piano | 23:05:00 | Trackback(0) | Comments(0)
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